アメリカ在住の邦人男性の散髪苦労話

年始に散髪してから、コロナ騒動が重なって、約5ヶ月間散髪にいけていませんでした。こちらの季節はもう夏と言っても過言じゃなかったのでつらかったですね。しかし、メリーランド州も徐々に規制が緩和されて6月1日より家の近所の散髪屋もオープンするとのことで、早速予約を入れました。もしかすると、すごく混んでいて数週間待たされたりするのかなとか思っていたのですが、すぐに予約が取れましたね。”DIY haircut“とか言う言葉もこちらでは流行っていましたし、意外とみんな自分で切っていたのかもしれません。

そんなわけで、今日はアメリカ生活における日本人男性の散髪事情について書きたいと思います。アメリカに引っ越してきて、どこの床屋で散髪するかって結構迷うと思うのですよね。特に男性の場合、床屋(Barber)に行くのか、美容院に行くのか、て言うかアメリカの散髪事情ってそもそもどうなっているんだ?と結構不安になると思います。そこで、今回は筆者の経験談を添えて日本人男性がアメリカでどのように散髪しているか書きたいと思います。

MarylandはRockville Rollins Avenueにある主に韓国人が店員の床屋と美容院。2つとも試してみて今は手前の美容院の方を利用している。

床屋(Barber)での散髪

上の写真を見ていただきたい。これはMaryland州はRockvilleにあるアジア人が経営している床屋と美容院である。参考のために住所も記入しておこう。168 Rollins Ave, Rockville, MD 20852

アメリカで散髪するに当たって、まず気をつけて欲しいのが、「近所にアジア系の散髪屋があるか?」と言うことを確かめることだ。アジア人と欧米人では主たる髪型が違うため、欧米人が運営しているお店ではどのようにアジア人の散髪をしたらいいか、おそらく分からないであろう。しかし、有名大学があるような大都市にはアジア系アメリカ人もたくさんいて、それに応じてアジア系散髪屋もたくさん存在している。なので、アメリカに引っ越してきたらまず同僚に「アジア系の散髪が近所にないか?」と言うことを尋ねることが先決だろう(後述するが筆者が日本人の同僚複数人に尋ねると「自分で切っている」と言う回答が複数回得られて、かなりうろたえた)。

さて運良く家の近所にアジア系の床屋と美容院が二軒並んでいるのを見つけたわけだが(上図)、当然どちらに入るか迷う。「そもそもアメリカの美容院って男性が入ってもいいのだろうか?」と疑問に感じて、外から店内をチラ見すると、普通に男性客も入っていた。「まあじゃあどちらで切っても大丈夫だろう」と思ったが、最初は無難に?床屋の方に行くことにした。

入ると「10分くらい待つけどいいか?」と聞かれた。予約は必要なかった。しばらく、待って席に通されると、担当の韓国人の女性に”short or medium or long?”みたいなことを聞かれ、”medium”と答えた。すると、そこから一気にバリカンで刈られた!ハサミは全く使用されなかった!日本でも床屋で散髪していたが、流石にハサミが一切使用されないなんてことはなかった。と言うか基本的にはハサミで切ってもらえた。それがまさかのバリカンオンリーだったので、流石に苦笑いを禁じ得なかったが、諦めて運命を受け入れることにした。本当に異国では何が起こるかわからない。そんなわけで、人生で初めて、ほぼ坊主になり「ああ、コメカミのところにホクロあったんだ」などと新しい発見もありつつ、二度と行かないと心に決めた。値段は15ドルくらいだった。顔剃りはなかった。店内で誰1人顔剃りをされていなかったので、この店ではそもそも顔剃りがなかったと推測される。

しかし、あくまでこれは筆者がこの床屋で体験したものであり、他の床屋での事情はわからない。勇気のある方はぜひ飛び入りで床屋に行き、レポートしていただきたい。

美容院での散髪

そんなわけで、次からは隣の美容院の方に行っている。最初、運良く飛び入りで入ることができたが、それはたまたまキャンセルが入ったからで、こちらの方は予約が必要だった。店内に通されると、「どのように切るか?」と聞かれた。今回はそんな単純じゃないらしい。少し迷ったが、「そうだ!」と閃き、スマホに入っていた、自分のベストな髪型の写真を見せた。すると「OK」みたいな感じで切り始めてくれた。その人はとても上手で、もみあげも日本で主流のナチュラルな感じに仕上げてくれた。

しかし生憎この上手な店員さんもいなくなり、今は別の韓国人の方に切ってもらっているのだが、残念ながらこの人にはもみあげをナチュラルに仕上げると言う技術がない。だから、写真で見本を見せても結局最後はバリカンで四角く刈られてしまう。こればかりはどうしようもない。運命だ。しかし、もみあげ以外は上手にやってくれるので、基本的には満足している。

アメリカでは90年代の日本のように基本的にはもみあげを四角く刈り取られてしまう

そんなわけで、これから渡米しようと言う方は、ぜひ日本で散髪した後の自分の写真を携帯に残しておいてもらいたい。海外で散髪に行く時、それは重要な資料になる。

自分で髪の毛を切り出す日本人たち

そんなわけで、こっちで散髪に行くのは、「思ってたんと違う〜」となってしまう可能性が大いにある、勇気のいる行動なのだ。そして、それを嫌ってか、多くの日本人男性が自分で髪の毛を切るという選択をとる。コロナが広まる前から既にDIY haircutしていたのだ。中には自分で切っているうちに上手になりすぎて、アメリカに来てから6年間、自分だけでなく奥さんの髪の毛も切っているという強者もいた。筆者の交友関係の中でも、少なくとも7人は髪の毛を自分で切っていると言っていた。個人的には髪の毛を自分で切るという行為は、なんとなく不健康に感じられるからあまり好きではない。というか「髪型が変になる」という笑い話で済ませられそうなことを、そこまでして避けるというのがちょっと不健康な気がするのだ。「もうおっさんだし、あなたの見た目ってそこまでみんな気にしてないと思うよ?」という思いもあるし、「せっかくアメリカに来たという話のネタになるし、一度くらいアメリカで散髪に行ってみればいいのに」という思いもある。「そこまで恐れることか?」と。

まあ、あくまでこれは個人的な感想であまり共感はしてもらえないかもしれない。筆者もなんだかんだで、日本に一時帰国した時は絶対に髪の毛切るし、可能ならこちらでは切りたくない。気持ちはすごくわかる。

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