実験が壊滅的にうまくいかぬ(泣)

最近、実験が壊滅的にうまくいかなくてつらい。ツラタン・イブラヒモビッチ。

一つは、既出データと一致しないデータが出たことだ。これに関しては、実験そのものは機能していて、つまりネガティブデータに分類される。

正直、このデータさえポジティブに出れば、このプロジェクトは論文になったのだ。自分が昔のブログで「捏造に手を染めてしまう人の気持ちがわかる」と言ったのは、こういうことが多々あるからだ。「なんでだよぉぉ、どうしてだよぉぉ!」と脳内がカイジみたいになってしまう。それくらい、こういう「わけわかめな結果」が出た時は、精神が不安定になる。

ボスに結果を報告したら、「Nothing is ever simple」(単純なことなんてなしおだね)と言ってくれた。自然現象というのは、本当に簡単に人智を超えてくる。こういう時に「それはお前の腕が悪いからだ。出るまで同じ実験をやり続けろ!」という命令を下してしまうボスもしばしば聞く。そうなればなお一層のこと捏造が起こりやすくなるだろう。

これに関しては、ネガティブデータという形で実験が終了したので、次に進むことができる。残念だったが、そこまで悪いことではない。生命現象の複雑さを垣間見た瞬間がまた増えた。もう増えなくていいが。さっさとポジティブデータをよこせ、自然現象さんよぉ!

二つ目は、自分でできない実験技術があり、外部のコラボレーターにお願いしたのだが、結局そのコラボレーターもその実験ができなかった、というものである。

なんとなく、メールのやりとりをしていた段階から「このコラボの人、本当に状況を理解しているのかな?」と疑問に思っていたのだが、その人が「その実験できるよ」と言ったため、日時を調整してサンプルを用意したのだが、結局できなかったというオチであった。仕事をしていると「できない」とか「やったことがない」と言うことができな人がしばしばいるが、そう言う人に当たってしまったのだ。話が先に進まないから、できないものは最初から「できない」とか「やったことがないから、できるかわからない」と言って欲しいものである。

このプロジェクトはインパクトは低く、実験がうまくいったとしても、せいぜいIF2.0前後の仕事なのだが、何年もやっていて、思い入れがあるからなんとか完遂させたいのである。もう外部に頼るのを諦めて、自分で技術を取得するしかないようである。

三つ目は、これが一番精神的にきついのだが、今までやっていてうまくいっていた実験が、突然うまくいかなくなった、といううものだ。コロナで実験がうまく調整できないと言うのもあるが、少なくとも2ヶ月同じ失敗を繰り返し続けている。そして今のところ、理由が全くわからないのだ。

生命科学の実験は、大きな変化こそ少ないものの、試薬のロットなど細かい変化はたくさんあって、そう言うものが積み重なって実験が機能していないのかな?と予測している。

日本にはBio Technicalフォーラムと言う便利なサイトがある。ここには「わけわかめな失敗例」がたくさん寄せられている。自分も投稿してみようかなと検討している。

この失敗の何が嫌かって、仮にこの実験がうまくいったとしても、結果がネガティブデータであると言う可能性が十分あるのだ。以前書いた「ネガティブデータすら出ない」と言う状況にある。

10年も研究してると、頻度こそ少ないが数年に1度、わけわかめな研究結果にぶち当たる。本当に嫌になるが、でもこうしてブログのネタにもなったりする。悲しいが、でも生命現象の怪奇さと言うものを自分の肌で実感できているこの状況を貴重なものと捉えた方がいいのかなとも思う。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする