NIHから締め出される

現在NIHから締め出しを喰らっている。特に重大なことではなく、IDバッジの有効期限がなぜか切れてしまったのである。

おそらくだが、契約更新手続きに遅れが生じているのだ。なので先週はフィンガープリントを採取しに行ったり、個人のバックグラウンド調査をしたりと忙しかった。

NIHのIDバッジ。本人情報は黒で伏せてある。有効期限は2022年の5月までのはずなのに、使えなくなるという、アメリカらしい、いい加減さである。

気づけばNIHに来てからまる3年が経つ。3年間、毎日のように仕事から帰ってはYoutubeでスマブラの配信を見ることの繰り返しで、本当に成長は感じないが、多少は慣れてきたかなとも思う。

NIHに最初に来た時に、まずe-QIPという個人のバックグラウンド情報の登録とフィンガープリントの登録、それとバッジ用の写真撮影を行う。その後にバッジが発行されるので、NIHに来た最初の1ヶ月くらいは自由にNIH内を出入りすることができず、Visitor Centerという一般客用のところから毎回パスポートを提示して出入りしなくてはならない。実験が開始できるようになるのも、基本的にそれからである。

今回、新たにe-QIPを記入するにあたり、3年前に書いた内容を見ることになった。e-QIPでは米国内の友人を3人記入する欄があるのだが、来た当初は友達がおらず、知り合って挨拶だけしたラボメンバーと、あとは日本の友人の名前を入れていた。今回、それらをそのままにして提出すると、「米国内の友人を記入してください」と注意されたので、おそらく1年目はe-QIPの情報もある程度は適当でいいのだと思った。3年間もいるとさすがにアメリカの友人もいる(日本人だが)。

そんなわけで、先週は来た当初の思い出に浸ることが多かった。バスの降り方がわからずに、変なところまで連れて行かれそうになったこととか、コンビニに走ってマネーオーダーをもらってくることとか、最初からブログをやっていれば、そういうこともおもしろおかしく書けたのにな、と思う。

今週もおそらく新しいバッジは手に入らないだろう。だからまた、1年目みたいにVisiter CenterでIDを提示して入らなければならない。来た当初は歩行者用のVisiter Centerを使っていたが、今は車用のレーンを使っている。提示するIDもパスポートからメリーランドの免許証に変わった。

NIHにはNIH全体の入り口、ラボの建物の入り口、ラボの入り口、と三段階でIDバッジを「ピッ」としなければならないところがある。平日はNIHに入る時だけそれをすればいいのだが、休日は全てでそれをしなくてはならない。なので休日はIDバッジをデスクに置いたまま、ラボから出てしまうと、中に入れなくなるのだ。これを英語でLocked outということは、来た当初にLocked outされて、ソッコーで学習した。

不便な研究機関である。

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