鼻毛を整えることと男らしさのジレンマ

普段、男同士で鼻毛について話さないからわからないが、多分、男というのはほっておいたら、鼻毛が際限なく伸びて、鼻から鼻毛が飛び出る種族である。たまにそのことに気づかずか、それともあえてファッションとしてそうしているのかわからないが、鼻毛が大量に飛び出ている男がいる。

自分は一人暮らしを始めた大学2年生の頃から、ロフトで買った鼻毛カッターを使って、飛び出てきた鼻毛を刈ってきている。同じ鼻毛カッターをかれこれ10年以上使っているが、いまだにちゃんと機能してくれている。

おかげで鼻毛が飛び出た状態を放置することもなかったのだが、ここ最近、年なのか、ロフトで買った鼻毛カッターでは剃りづらい、これまでとは違った位置から大量に鼻毛が生えるようになった。たまに鼻の穴に指を突っ込んで抜く鼻毛も、20代の頃より、太く長くなってきたから、加齢とともに鼻毛にも変化が見られているのだろう。頭髪は薄くなるばかりなのに、鼻毛は濃くなる。勘弁してくれ。

この剃りづらい位置からの鼻毛を剃るために、最近新しいタイプの鼻毛カッターを買った。円柱タイプではなく、チェーンソータイプのものだ。これによって自分は完璧に鼻毛を制御することに成功した。何人たりとも鼻毛が飛び出た自分を目撃することはないだろう。

ところでこの鼻毛を剃るという行為、10年以上続けているものの、いまだに一抹の恥ずかしさが付き纏う。

理由は複数ある。

まず自分は自分以外の人がこれらの機械を使って鼻毛を整えている様子を見たことがない。実家では誰もこれらの機械を使って、というかそもそも家族の誰も鼻毛を剃っている姿を見たことがなく、そのまま鼻毛を剃るという行為のロールモデルがいないまま、実家を出てしまった。そして、それ以降誰とも共同生活をすることなく、自分以外の人間が鼻毛を剃っているのか知りもせずに、ずっと1人暮らしをしている。だから、この行為が本当に確かなものなのか、イマイチ自信がないのだ。

「自分以外にこんなことをしているおっさんが他に存在しているのだろうか?」

おそらく、メンズ用品売り場に鼻毛カッターがあんなに売られているのだから、絶対に他の男連中も鼻毛カッターを使っているはずなのだ。でも、男友達と「どんな鼻毛カッター使ってる?」みたいな鼻毛トークをしたことがなく、そしておそらく今後もしないので、自分の中で実態が不明なままなのだ。

もう一つの理由として、鼻毛を剃るという行為が、どこか世間でいうところの「男らしさ」の対局の位置になる気がするのだ。一般的に、些細なことに気を取られず、ありのままの野生的な自分でいることが「男らしさ」であると認識されているだろう。女性は脇毛もすね毛も剃るが、男は剃らないし、脇毛やすね毛を律儀に剃る男は、どちらかというと変に見られると思う。

余談だが、自分は冬場など、体毛があまり露わにならない時に、かなりの頻度ですね毛やけつ毛を剃っている。もちろん、これも人に言ったことがなく、わたしの秘事なのだが、ストレスが溜まった時とか、無性に体毛を剃りたくなる時がある。実際に剃って、すっきりとした足を見たり、排便後にティッシュで毛のない肛門をふくと、リフレッシュした気持ちになれる。

話を戻すと、男はすね毛や脇毛は「どちらかというと剃っちゃダメ」、髭は「剃った方がいいけど、ファッションとして剃らなくてもいい」のに対して、鼻毛はその議論すらあまりされないのである。もちろん、剃った方がいいのはわかるのだが、「鼻毛の剃り方を親から教わる人」というのがどれほどいるのだろうか?少なくとも自分は、髭の剃り方は剃刀を使うためか、安全面の観点から父親から教わった。でも、鼻毛カットは完全に独学なのだ。

髭を剃るという行為は男らしく感じられるのに、鼻毛を整えるのは女々しく感じる、けど多分だけど男性の方が鼻毛がたくさん早く伸びる。

なんて、最近感じていたことをワールドシリーズを見ながらつらつら書いてみました。やっぱブログっていいよね。

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