マッケンチーズだけは理解できんぜ

アメリカに来て5年、色々経験してきたが、いまだに謎なものがある。それはMac & Cheeseだ。

冷食でもたくさんの種類が売られていて、日本ではあまり知られていないが、アメリカ定番メニューである。

チックフィレイのMac & Cheese

存在はなんとなく知っていたが、つい最近まで「どうせ大したことないだろう」と思って試していなかった。それが、ここ最近立て続けに機会があってようやく重い腰を上げてマッケンチーズを試したのだが、やっぱり大したことなかった。

いや「大したことがない」で済めばまだいいのだが、それ以上にマッケンチーズは「なんで?」と色々な疑問を浮かばせる、自分にとって非常に「不可解な料理」なのだ。

まず「チーズとマカロニの塩っぱい物なのかな?」と想像していたのだが、これまで食べたものは、塩気はそこまでなく、というかあまりなく、どちらかというと「すっぱい」が勝っていた。チェダーチーズの酸味が前面に来て、そこにただマカロニがある、そんな感じ。

単純にマカロニという無味な炭水化物とチェダーチーズを混ぜた料理だから、臭いや変な癖はなく、食べられなくはない。けど、本当にそれ以上でもそれ以下でもなく、ただマカロニとチーズが混ざった酸っぱい食べ物なのだ。

自分の大きな疑問は二つあって、一つは「マカロニとチーズがほとんどマッチしていない」という点だ。マカロニという炭水化物とチーズというタンパク質だから、理論的に合わなくはないのだろうが、「炭水化物+タンパク質」であれば何でもかんでもマッチするというものでもないだろう。事実、自分は今まで「パスタにチーズだけをかけた料理」というのに出会ったことがない。もちろん「ご飯にチーズだけをかけた料理」にも「うどんにチーズだけをかけた料理」にも出会ったことがない。パルメザンチーズをパスタにかけるにしても、あくまでそれはトマトソースの下地があって成立する。

なんというか「わざわざチーズとマカロニを混ぜ合わせる必要がない」というのが率直な感想だ。それだったら、塩茹でしてオリーブオイルと絡めたマカロニとチーズを別々に出して欲しい。「混ぜるな危険」ではないけど「混ぜても無意味」って感じだ。なんで、わざわざこんなに調和しない料理をあえて作ろうと思うのだろうか。この調和のなさはもはや料理として成立していない気がする。

もう一つの疑問は、なぜこんなよくわからない料理が、アメリカの国民的定番メニューとして浸透しているかということだ。こんだけどこでもマッケンチーズが売られているということは、それだけちゃんとみんな、マッケンチーズを食しているのだ。じゃないと経済として成立しない。

「他に食うものないのか?」

ハンバーガー、チキンサンド、ピザ、タコス、ステーキ。アメリカのレストランは大体これだけで成立している。正直、渡米半年後には全てのアメリカ料理に飽きて、IPAを含めてアメリカ料理に辟易するわけだが、それでもこれらの料理は、たまに食べる分には美味しく、料理として十分成立している。

それがマッケンチーズだけは「たまに食う分にはうまい」という兆しすら見えない。

これは自分がまだまだマッケンチーズ初心者だからなのだろうか…帰国までまだ時間がある。もう少しマッケンチーズを探究して、この謎を解き明かしてみたい。

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