15年後、あなたはアパラスチア山脈にいる

先日、友人に連れられてシェナンドーに紅葉を見に行った。この時期に来るのは初めてで、天気も良く綺麗だった。生まれて初めてコテージたるものにも泊まり、そこがまたとてもいいところで、感動していた。一泊二日の短い旅だったが、とても楽しい旅だった。

スカイラインのビューポイントから見たシェナンドーの景色
泊まったコテージの場所。
コテージから見えた朝の景色。
コテージの空調。こんなところにもグルタチオンセファロースのマークが。

ふと、シェナンドーを含む、ここらの山脈一帯がアパラチア山脈であることに気がついた。

アパラチア山脈と言えば、自分が中学生の頃、「アパラチア山脈」となぜか「ス」を入れて覚え間違いをしていて、定期テストで減点された、思い出のある山脈なのである。中学の先生もよく気がついたなと思う。

おそらくだが、「アスパラ」に引っ張られたのだろう。だが、「流石にアスパラ山脈は違う」と脳が判断したのだろうか、なぜか「アパラスチア山脈」というトリッキーな覚え方をして、無事テストで減点されたのだ。当時の自分は「なぜ、アパラスチアではないのだ。アパラスチアの方が語呂がいいではないか」と逆ギレしていた。

子供の頃はこの手のカタカナや漢字の覚え間違いが多かった。家にあしたのジョーの漫画があったのだが、ジョーの階級の「バンタム級」を「パンダム級」と言っていたし、「抗う(あらがう)」は「あがらう」と覚えていた。一番酷かったのは「少数精鋭」を「少数鋭隊」と覚えていたことだ。確か、ハンターハンターのキメラアント編で少数精鋭という言葉が出てくるのだが、雰囲気で少数鋭隊と覚え間違いをして、友達から笑われた。自分は文字をよく読まないのだ。雰囲気で捉えてしまう。

小学2年生の頃に魚市場(うおいちば)の読みを答えるテストがあったのだが、自分の友人の母親が「うちの子、魚市場を(サカナいちば)って書いてバツもらったのよ〜。バカでしょ笑」と自虐気味に笑い話にしていたのだが、自分は(ぎょしじょう)と書いてバツをくらって、その旨をその場にいた母親連中に伝えて変な空気にさせたこともある。(うおいちば)と(ぎょしじょう)全て裏をついていく間違いである。

そんなことはさておき、先日ふと「そうか自分はあのアパラチア山脈、いやアパラスチア山脈にいるのか」思い、感慨深かったのだ。中学の頃の社会で、名前だけ覚えさせられた山脈。当時は海外なんて全く興味がなかったし、ただただテストで点を取るために、偏差値の高い高校に行くだけのために覚えた山脈に15年後に実際降り立ったのだ。

あの頃、運動の才能なんてないのに、なぜか運動部に入り、みんなから永遠に馬鹿にされながら、顔のデカさを馬鹿にされながら、屈辱を感じながらもやり返す勇気もなく、ただただ性格が陰気になっていき、名実ともに陰キャラの名を欲しいままにしていた中学時代。

今も別にそこまでハッピーというわけではないけど、あの頃の自分に「お前将来自分で車を運転して、アパラスチア山脈に行くぞ」と伝えられるなら、少しは元気になってくれるかもしれない。

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