変な夢をみた(窓の柵にしがみ付きヘリに飛び移る)

変な夢をみた。家族5人で黒のスキューバダイビング用のスーツに身を包み、ヘリに乗ってどこかにテロを仕掛けにいくという任務の夢だった。

先陣を切っていたのは母親であった。見栄っ張りで、人からカッコよく思われるためなら、自分の身の危険を顧みないところがある。昔から、こういう突拍子もないことを企画し実行しようとするのは母親だ。だから今回も、この任務に立候補したのは母親だった。でも、自分にそこまで才能があるわけでもないから、肝心なことは家族を巻き込み、やらせようとする。見栄と根性と強迫と愛で生きているような人だ。

計画としては、実家の集合団地のアパートの5階の窓の柵にしがみつき、迎えにきたヘリにそこから飛び移り、目的地に向かうというものだった。目的地で何をするのかはわからなかった。夢の中では、前回の任務では同様の作戦で成功していた。今回も5階の窓の柵にしがみ付き、そこからヘリに飛び移る予定だった。

5階まで家族5人で団地アパートの階段を上っていた。まだ日が登っていない時刻で真っ暗だった。自分は「そう言えばマスクちゃんと持ったかな」とポケットを確認していた。一応コロナ禍の出来事であったようだ。他の人を起こさないためか、バレないためかはわからないが、抜き足差し足で階段を上り、5階まで上がった。でも妹の足音が大きくてなんかイライラした。

しかし、5階から窓の柵に飛び移ろうとした時、明らかに危険であることがわかった。その柵は本当に飛ばないと移れない距離にあった。そして、飛び移れない場合、落下して死んでしまう。「さすがにこれは厳しい」と母親を説得して、任務を諦めた。

母親は半泣きで任務先のオペレーターに「こういう事情で今回は無理でした」と電話で断りを入れていた。先方も「まあしょうがないですね」みたいな感じで諦めてくれた。自分も正直、任務にいくのがめんどくさかったので、ほっとしていた。

母親は実際に自分で体験してみないと納得しない人なのだ。いくら「多分窓の柵に飛び移れないから、今回の任務は無理だよ」と説得しても、「大丈夫だろ」と言い、実際に現場で「無理だ」ということを体感として実感しないと納得してくれないのだ。

ここらへんで目が覚めた。

自分は母親のこういう向こうみずで見栄っ張りで強迫的な性格に迫られるようにして生きてきた。だから「普通でいること」が許されなかった。自分自身、「変わったことがしたい」という思いもあっただろうが、半分くらいは「普通じゃダメだ、変わったことをしなくてはいけない」という強迫的な母親の観念が、気付いたら自分自身に乗り移っていた。

だから、大して才能もないのに研究者になったし、英語も喋れないし、海外経験もないのに海外留学もしている。

母親のプレッシャーに「ノー」と言えない人生だったが、もとの才能の割にはいろいろな経験をできたし、多少は視野も広がったから、まあまあ良かったのかなと思っている。

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