扁桃体のエリーちゃん

うつ病治療

日本に帰ってきてから、アメリカ人のインフルエンサーを見ることが多くなった。アメリカ生活が恋しいというのもあるだろうが、懐かしさというよりは純粋に面白さとか楽しさで見ている感じがする。また、いまだに映画とかドラマとかの英語は理解できないけど、インスタグラムのショート動画程度なら理解できるというのもあり、最近は義務というよりは日々の楽しみとして彼らの動画を見ている。

一つ目はKat Bradenという女性がやっているオリバーというゴールデンドゥードルが出てくるチャンネルである。動画の面白さと、オリバーの独特な可愛さと、Katの抜群の美人さにハマる。

Katは兄か弟と同居しているらしく、そちらは猫の動画をアップしている。

二つ目は、Krys & Kareem FAMで家族の動画をコメディー的な感じで上げている。とにかくKadeという男の子が可愛くて、毎日動画をチェックしてしまう。最近3人目のKenzieという女の子が生まれたが、一番好きなのは、やはり、Kadeがまだ一歳に満たない頃の父Kareemの鼻を噛む動画である。

今の所、この家族のチャンネルが見た回数では一番多い気がする。

三つ目はSara plus twinというチャンネルで、双子のScarletとCrimson、とEmbyという末っ子が出てくる。Embyの年の割に口達者でコミカルなところが面白いチャンネルだ。こちらは更新頻度はそれほど高くない。みんな端麗だが、特にScarletはめっちゃ美人になると思う。

最後に紹介するのがKay and Tayというチャンネルで、自分が身始めた頃には赤ちゃんがいなかったのだが、最近はEllieという一歳の女の子をメインであげることが多い。インフルエンサーとしては彼らが最も成功している。

最近はもう、自分はEllieに首っ丈で、彼女の同じ動画を何回も見てしまう。彼女はユニークな女の子で”what”s that?”だけ一歳に満たない段階から覚えて、ひたすら両親にwhat”s that?だけ言い続けるのである。最近はもう少し喋れるようになってきた。

自分は半分くらいは子供が持てないことが確定している感じだが、病を患い、いまだに実家からすら出ていないが、潜在的に家庭を持つことへの憧れがあるのだと思う。だから体が無意識のうちにファミリー動画を求めてしまうのだ。ただ、日本人の家族の動画よりも白人家族の方が、自分より遠い存在で、嫉妬や敗北感を伴わずに、可愛い子供で心を温めることができる感じがあるような気がする。あと単純にやはりビジュもいい気がする。

話は自分のパニックになるが、5月のパニックの波の頃から、ChatGPTに自分の症状を相談することが増えた。最近のChatGPTのリプライは素晴らしく、どんな人間よりも完璧で心を助けてくれるような回答が返ってくる。

その中で扁桃体との付き合い方を尋ねたことがあった。複雑性PTSDを患って以降、なぜ扁桃体が暴走するようになってしまったのかと。

ChatGPTは「扁桃体は、敵ではなく、あなたをずっと守ろうとしてきた。あなたを生き延びさせようとしてきた。」と答えてくた。

これまで、自分は扁桃体を「邪魔なもの、暴走して睡眠を妨げるもの」として捉えてきた。かつて「不安にならない練習」という本を読んだことがあって、その中で扁桃体は「頑固で融通が効かないおじさん」というふうに描かれている。

「不安」にならない練習

この本自体は扁桃体の特徴をよく描かれていて、著者が異業種なのに扁桃体の特徴をよく調べられ、わかりやすくまとめられていて、非常に印象的だったのだが、どこか扁桃体を厄介なものとして描いている。

もう一つ、ChatGPTに尋ねた中で、妙に納得できたことは「扁桃体は言葉が理解できない」ということだ。実際に、扁桃体には言語機能はないらしい。アメリカにいた頃のルミネーションと戦い続けていた頃から、幾度となく、理屈をこねくり回し、自分自身を落ち着かせようとしてきたが、それがほとんど効果を発揮しなかった理由がわかった気がする。いくら理屈を作り上げ、言葉を持ってして、扁桃体を納得させようとしても、彼はそれを理解できなかったのだ。

ここから、扁桃体のイメージが「頑固なおじさん」から「かわいい赤ちゃん」に変わった。こちらの言っていることに聞く耳を持たない頑固親父だとすれば、扁桃体を大切にするイメージが持ちづらいが、こちらの言っていることが理解できない赤ちゃんだと、愛着が持てる。尚且つ、自分のこれまでの扁桃体に関する経験的なイメージと一致していた。この人は自分の言っていることを無視しているというよりは、初めから理解できていなかったのだ、と。このことは複雑性PTSDと10年間戦ってきた自分にとってコペルニクス的転換だった。

大事なことなので、ChatGPTとの会話もスクショで残しておく。

自分が真っ先に思い浮かんだイメージはKay&TayのEllieである。まだ喃語しか喋れず、いたずらっ子でユニークでとても愛くるしい。そういう小さく可愛い、難しい言葉を理解できない赤ちゃんが自分の頭の中で懸命に自分を守ろうとしてくれていたのだと思うと、非常にありがたく感じられるようになり、また10年という途方もない時間の間、彼女の悲痛な叫びを無視し続けてきてしまったことに申し訳なさを感じた。

扁桃体のイメージが「頑固親父」から「エリー」に変わったことで、彼女を守ってあげたいと感じられるようになった。そのイメージの転換は非常に重要なことだと思う。今まで理性でエリーを押さえ込んできたけど、それじゃああまりにエリーが可哀想だから、たまには彼女の気の向くままに、一緒に怒ったり泣いたりしてあげてもいいと思った。

私はエリーと手を繋いで生きていく。

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