先月、カウンセリングでポリヴェーガル理論に出会ってから、自分のうつ病・パニック・複雑性PTSDの症状を非常に綺麗に説明できることに気がついて、本を読み勉強を重ねている。何冊か読み終わったら、またポリヴェーガル理論を詳しく教えてもらいに、カウンセリングに行くと思う。
この理論では特に、自分が長年苦しんだ、希死念慮を低覚醒状態時の症状としてうまく説明でき、それが自分にとっては目から鱗であった。粘り強く症状に向かい続ければ、10年の時を経て見えてくるものもあるのである。
日本に帰ってから、実家に住むことで、人とのつながりを実感できるようになり、自分の希死念慮は低減していった。だが、仕事を始めると、今度は過覚醒の症状により、一昼夜眠れないということを度々経験するようになり、自分は仕事を休み、精神神経科に通い始めた。
低覚醒時の状態と、過覚醒時の状態を比較すると、眠れなくて、脳が暴れまくって、体に「ニゲロ!!」メッセージを送り続けてくる過覚醒の方が、短期的に見た場合は症状としてつらい。ただ、過覚醒は毎日のようには続かず(今のところは)、それに比べて、アメリカにいた頃の寝起きの低覚醒状態は毎日のように(稀に調子のいい日もあったが)、年単位で続いてので、長期的に見た場合はどちらの症状が大変かは結論しがたい。
ただ、アメリカにいた頃は、孤独や希死念慮、ルミネーション、不安に対処するのに精一杯で、脳が過覚醒できるだけのエネルギーを蓄えていなかったようにも感じる。何日か過覚醒することもあったが、すぐに低覚醒モードに移行してしまい、何日も不眠で悩まされるということがなかった。自律神経の限界ではあったように感じるが、アメリカにいた頃は背側迷走神経が低覚醒を頻繁に誘導することで、自分の体を守ってくれていた。
もし、アメリカにいた時に今回経験したような過覚醒を経験していたとしたら、自分は一人で対処できずに、長期的に仕事を休み、日本に帰国していたような気がする。アメリカで一人で闘っていた頃は過覚醒に対処できるだけの余裕がなかった。
日本に帰ってから、生活をサポートしてくれる存在ができ、自分の低覚醒状態は和らぎ、元気になり、エネルギーが増えていき、自律神経のレベルが徐々に覚醒モードにシフトしていき、代わりに過覚醒モードになることが増えていった。
だが、今は過覚醒によるパニックを経験しても、衣食住でサポートしてくれる両親がいて、病院もあり、薬もあり、過覚醒の症状になんとか対処できる(これ以上対処したくないほど、過覚醒の症状はしんどいものなのだが…)。今はなんとか過覚醒できる余裕があるのである。
体は、自律神経は、そのことを「解っていて」過覚醒状態に移行しているのか…定かではないのだが、もしかするとそうなのではないかと、パニックを経験してから時々思うのである。

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